目次
はじめに結論
■現地で英語で契約は無理・観光で1日~10日くらいしか使わない・都市部やホテル付近しか行かない
→日本のAmazonで買う
■現地で英語での契約でも問題ない・契約内容は自分でコントロールしたい・お金を安く済ませたい
→duかVirgin mobileのSIMを現地で契約する
■現地で英語での契約でも問題ない・通話もデータもSMSもガッツリ使う・電波状況が良いのが何より大事
→EtisalatのSIMを現地で契約する
ドバイと通信キャリアについてサックリと
まずはアラブ首長国連邦ことUAE(United Arab Emirates:ユナイテッドアラブエミレーツ)は中東の国です。
7つの首長国が集まってできており、ドバイ(Dubai)はそのうちのひとつ。
中東といえば石油のイメージですが、石油は別の首長国であるアブダビ(Abu Dhabi)が95%を占めています。
そのため、ドバイはIT等のビジネスや観光で経済を回しています。
UAEの通貨はAED(ディルハム)とfils(フィルス)です。
・ディルハム AED(Arab Emirates Dirham:アラブエミレーツディルハム)
・フィルス fils
100fils=1AED で 1AEDは約30円(2020年12月時点)です。
そんなドバイですが、まずはキャリアが3つあります。

・du(デュ)
2005年に設立され、通信事業開始が2006年。正式名称はEITC(EmiratesIntegrated Telecommunications Company)です。
2007年にリブランドされ、どこをどう略したのかは知りませんが、本社がドバイなので2文字取ってduと呼ばれていると思われます。

・Etisalat(エティサラット)
1976年に設立され、通信事業開始が1982年。正式名称はEmirates Telecommunication Group Company PJSCだそうで、
ブランド名としてEtisalatが使われています。ちなみに[Etisalat]はアラビア語で通信という意味らしいです。
こちらの本社はアブダビ。
マンホールやルーター、ダクトにキオスク端末にまでもこのロゴは至るところで見ることになります。
UAEのネットワーク通信を事実上牛耳っているため、VPNが有料のものばかりだったり、閲覧規制があったりするのはほとんどこちらで行われているのではないか?と言われています。
もはや公共インフラです。
・Virgin mobile(バージン モバイル)
1999年に設立。バージングループ自体は1970年頃に創立していて航空系から銀行・家電ショップ等様々手掛けています。
本社はイギリス ロンドンです。色々やっててその中にモバイル事業があるので、楽天モバイルに近いのかなと思います。
MNOでもMVNOでもない存在らしいです。
そして、ドバイのWiFi事情ですが、ホテル・タクシー・メトロ・ショッピングモール等、ほとんどの場所で無料WiFiが飛んでいます。
当然ですが、フリーWiFiなので仕事のデータ等はあまり取り扱わない方が良いです。
そのため、主要な施設を転々とするのであればSIMがなくてもなんとかなります。
ドバイ自体そこまで大きな都市ではない(面積は徳島県くらい)のでローカルなツアーやビーチで遊んだりレンタカーを走らせる等
施設外での遊びの場合はモバイルネットワーク通信は必須かなと思います。
そもそも旅行者は契約プランが限られている

旅行者(Visitor)はSIMカードの契約に制限があります。これはUAEに限ったことでなく日本も同じで、
旅行者はいわゆる契約して家に請求書が~なんてことはせずに、プリペイドSIMを契約または差し込んで終了ですよね。
なので実質ビジタープランというものしか契約できないということがほとんどです。
UAEの居住者はEmirates ID(エミレーツアイディー)というものがあり、日本でいうマイナンバーカードのような
一人に1つずつ割り当てられた国民カードのようなものがあります。
これがないと契約できないプランが多いため、旅行者や出張者の選択できるプランは限られます。
以前は空港に到着した際にduのチャージ式のSIMカードを無料で配布していたようですが、ウイルスの影響なのか2020年11月時点では配布は行われていませんでした。
まとめるとこんな感じです。
・契約できるプランはエミレーツIDの必要がないプランのみ。
・有効期限が10日以上を超えるようなプランや通話が必要なプランは現地でしか契約できない。
・基本的には買い切り型のプリペイドで不足したらチャージする。
また、当然ですが、SIMフリーの端末でないと各社のSIMカードは使用できません。
日本でもSIMフリーやSIMロック解除が認知されてきていますが、これを忘れるとWiFiを拾って生きていくか、
現地で端末を買うことになりますので要確認です。
SIMカードの契約には【パスポート・お金・端末】が必要です。パスポートはコピーを取られます。
用紙に名前や電話番号(この時点では日本の番号しかないので、日本ので良いと言われた)を記入して契約完了です。
オススメ度【★★★★★】du


▼契約可能なプラン
・Prepaid Flexi(プリペイドフレキシ):28日
・Prepaid Easy(プリペイドイージー):無期限
・TOURIST(ツーリスト):7日/14日
▼内容
・Prepaid Flexi
データ通信:2~6GB
国内・国際通話/SMS:30~90分(min)
WiFiスポット:0時間(hours)
・Prepaid Easy
データ通信:0GB
国内・国際通話/SMS:0分(min)
WiFiスポット:0時間(hours)
※各要素を好きなようにチャージ可能
・TOURIST
データ通信:500MB/2GB/3.5GB
国内・国際通話/SMS:20分/40分/50分(min)
WiFiスポット:0時間/0時間/1時間(hours)
▼料金
・Prepaid Flexi:49~119AED(約1,470~3,570円)
・Prepaid Easy:0AED(無料)
・TOURIST:55AED(約1,650円)/75AED(約2,250円)/110AE(約3,300円)
▼メリット
・価格と性能の選択肢が多い
・窓口やカウンターが多くサポートを受けやすい
・チャージスポットが色んな場所にある
▼デメリット
・プランが複雑で英語が分からないと説明が理解できない
・カウンターがいつも混んでる
・チャージが面倒
▼総評
色んなプランが用意されていて、初期費用0の都度チャージプランやムダのないプランの選択ができるのがduのメリットです。WiFiの無料接続時間はカフェやduのストアで使えますが、それらが入っているモールやデパートにもその施設の無料WiFiがあったりで、わざわざ契約するメリットがないので、WiFiの特典が抑えられているのはムダがなくて良いです。
完全に通話時間0のプランを組むには初期費用0のSIMを買ってデータチャージをして、、と手間がかかるのが難点。
価格は安いので、時間と手間を使って自分なりに調理できる人にオススメなプランだと思います。
都度チャージを窓口でする人が多いためか、モールのカウンター等はいつも混雑しています。近くにあるキオスク端末ですぐにチャージできるのですが、窓口が混んでいるのは日本のセルフレジのような感覚を覚えます。
英語で契約が必要なのですが、「無料のSIMだけ入れてくれ~」と頼んで街中の人がいない端末でゆっくり翻訳しながらチャージするのが楽だと思います。
それ難しいなら「Prepaid Flexiの一番安いのをくれ!」がシンプルで安く済みます!
オススメ度【★★★★☆】Virgin mobile
▼契約可能なプラン
Monthly(1ヶ月プラン)
▼内容
データ通信:1GB(なぜかおまけで+2GB)
国内通話/SMS:50分(min)
国際通話/SMS:0分(min)
▼料金
82.95AED(約2,489円)~
▼メリット
・最小プランの30日で3GBが2,489円はまぁまぁ安い
・有効期限が長いので期限の心配はなくなる
・アプリで簡単にデータ残量を見たりチャージできる
▼デメリット
・現地で英語で契約しなければならない
・ストアがあまり多くない
・町外れに行くとたまに遅かったり不安定だったりする
▼総評
観光目的の日本国籍を持った人がノービザで滞在できるのが30日以内なので、滞在延長しない限りはこれを契約してしまえば更新のことは考える必要がありません。
特にビジネスで来ている人は駐在員でも無い限りビザとって長期滞在することはないですし、通話もメッセンジャー等を使うと思うので、充分だと思います。Virgin mobileは契約したときにくれるパッケージにSIMカードスロットを開ける用のピンが付いてて助かりました。
HPには最安値のプランとして500MB+250MBで36.75AED(約1,103円)の記載があるのですが、店頭では加入できませんでした。
2ヶ月目以降限定なのか、Emirates IDが必要なプランなのか…英語が苦手なのでそこまで詳しくは聞きませんでした。
オススメ度【★★★★☆】Amazonで買う
▼契約可能なプラン
1日~15日
▼内容
データ通信:200MB~4GB
国内通話/SMS:0分(min)
国際通話/SMS:0分(min)
▼料金
690円~3,600円(変動あり)
▼メリット
・先に準備しておけるので現地で英語で契約する必要がない
・価格が安い
・旅程や日程が決まっていればムダがない
▼デメリット
・旅行の中止や旅程の増減で契約がムダになったり現地で契約する必要が出てくる
・SIMの不良やエラーがあったときは現地で契約する必要がある
・プロファイルの設定や事前チャージ等、一部知識が必要なものがある
▼総評
旅程が決まっていて、大量のデータ通信をするわけではないのであれば、先に日本のAmazonで買っておくのがオススメです。特に新しめのスマホはデュアルSIMスロットのものもあり、SIMカードの入れ替えによるトラブルを回避できます。
現地でのプロファイルの設定が発生した際に戸惑うことが多いのですが、丁寧なものは日本語のマニュアルが付いているので、一緒に携帯すれば安心です。
デメリットはSIMの不良に当たった時です。現地に着いてからSIMを刺したらなんかおかしい…と気づいたところで返品や交換はできませんので、詰みになります。
私は、デュアルSIMでない端末のときにプロファイルの設定の紙を持ってきておらず、空港でしばらくWiFiのお世話になったのとSIMカードスロットを開けるピンが入ってなくて、空港の売店でゼムクリップを貸してくれと残念英語で伝えて借りたのはいい思い出です。
一番右の「FLEXIROAM:フレキシローム」だけは特殊で、日本を含めたほぼ全国で使用可能な代わりに、アプリやHPからチャージを行う必要があります。国と日数とチャージ量を選んでチャージする「ローカルプラン」が一番安いのですが、30日前・90日前にチャージすると安くなる早割りプランがあります。
早割前提の価格なのか、思ったより安くはありません。日程が決まっていて中止になることがなさそうであれば良いでしょう。
FLEXIROM公式サイト
オススメ度【★★☆☆☆】Etisalat
▼契約可能なプラン
・VISITOR(ビジター):14日
・VISITOR LINE PLUS(ビジター ライン プラス):14日
▼内容
・VISITOR
データ通信:2GB
国内・国際通話/SMS:40分(min)
WiFiスポット:5時間(hours)
・VISITOR LINE PLUS
データ通信:7.5GB
国内・国際通話/SMS:175分(min)
WiFiスポット:30時間(hours)
▼料金
・VISITOR:125AED(約3,750円)
・VISITOR LINE PLUS:200AED(約6,000円)
▼メリット
・電波と速度が安定している
・窓口やカウンターが多くサポートを受けやすい
・チャージスポットが色んな場所にある
▼デメリット
・価格が高い
・英語が分からないとサポートの恩恵が受けられない
・データ残量確認等の操作が面倒
▼総評
UAEで最も歴史があるキャリアです。それだけ安定はしていると思うのですが、日数の短さとプランの柔軟性がないのが難点です。
空港の出口にほぼ必ずあるので契約のしやすさはピカイチです。
かなりのお客を相手にしてきたためかカウンターのおじさんは疲れ切っていて、ちょっと残念な接客でしたが、説明などは詳しかったです。
カードしかもらえなかったので、SIMカードスロットを開けてくれ~と頼んで開けてもらいましたが、ピンが付いてきてくれた方が嬉しいです。
おわりに
自分はEtisalatのVISITORからスタートしました。理由はcareemという日本でいうタクシー配車アプリのバウチャー(クーポン)が100AED分付いてくるというのにホイホイ釣られて空港で契約しました。
ところが待てども待てどもそのバウチャーが来ず、サポートに連絡しましたが、結局14日以内にバウチャーが来ることはありませんでした、、
(14日でSIMの有効期限が切れるのでバウチャーが有効にできない?との回答。オワタ。)
そこでduにしようとして平日やら休日やらモールのカウンターやスーパーマーケットの小さなカウンターに行ったところ、待ち時間にチキンビリヤニが作れてしまうほど混んでいるか、話の長いおばちゃんがおり、妥協してVirigin mobileにしたのでした。
空港から下のエリアに主に滞在していましたが、電波の悪さや速度の遅さは全く感じなかったので、良かったと感じています。
お金持ちがリゾート遊びに来るか、ビジネスマンが税金から逃れるための都市であるドバイですが、スマホでの通信は比較的安く済ませることができそうです。